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生命科学を専攻とする文系脳学生 ここは過渡期
レビュー by ishiko39さん
さらっと読めた
主人公ムルソーの視点から逆説的に、法律家とか聖職者とか或いはもしかしたら医者とか。そういう「条理」のなかで生きる職業の人について思いを馳せる。我々はみな独房の中で無意味な生を生きることに変わりはないが、それを承知した上で制限の自由を選ぶことは可能だろう。
それにしても法廷で延々繰り返される「ムルソーの、母親への精神的な殺害」についての論争の描写が如何にも滑稽で(被告は母親の死に際し涙を流さなかった!)、その風に感ぜられる自身への自戒ともなる一冊だった。
この世では、なにも人生に正直であることだけが「正しい」とは限らないのだ。
本書と並行して『転落』を読み進めているが、次は『ペスト』を読んでみたい。
20120205/18:10 初見読了
追記
作品から連想して最近気になること―例えば「不謹慎」について考える。私がこれに対して常に持つ違和感が、読後明らかになった気がする。
つまり、私が期待するものとは憤慨の矛先が違うように思えるからだ。
ある人が「不謹慎だ」と述べる時、その人が一番気に払っているのは、実はその被害者に対してではない。その不謹慎さを糾弾する世論に、自分もまた糾弾されることを恐れるのだ。
これは異邦人ムルソーが処刑された理由にも、充分足るのではないか。
レビュー登録日 : 2012年02月05日
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