樅ノ木は残った(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2003年2月19日発売)
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感想 : 92
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読んだきっかけ:古本屋で安かった(3冊280円)。

かかった時間:2/21-2/25(5日くらい)

内容:上巻は、伊達綱宗の逼塞の沙汰から、宿老茂庭周防の辞任まで。

全く知識のないまま読み始めて、いきなり冒頭から数多くの登場人物が現れ、困惑する(@_@;)
名前が、通称であったり、住んでいる土地名で呼ばれたり、覚えにくいったらない。

大変重厚な小説です。なんたって山本周五郎です。読むだけで賢くなった気がします。面白くないはずはないはず。
たぶん、本当に面白いです。

さて、上巻で、主人公原田甲斐は、味方をすべて捨て、すべてから恨まれながら、敵の懐に飛び込んで行くわけだが!?

あらすじを書きたいけど、複雑すぎるので、ズルして、wikiより転載しましょう。

(wiki「伊達騒動」よりあらすじ抜粋・ネタバレあり)

仙台藩3代藩主の伊達綱宗は遊興放蕩三昧であったため、叔父にあたる一関藩主の伊達宗勝がこれを諌言したが聞き入れられなかった。

綱宗の放蕩は止まず、ついに1660年(万治3年)7月9日に家臣と親族大名(池田光政・立花忠茂・京極高国)の連名で幕府に綱宗の隠居と、嫡子の亀千代(後の伊達綱村)の家督相続を願い出た。7月18日に幕府より綱宗は21歳で強制隠居させられ、4代藩主にわずか2歳の伊達綱村が就任した。

綱村が藩主になると、大叔父にあたる宗勝が後見として実権を掌握した。

(上巻ここまで)

(ここから中、下巻)

宗勝は家老の原田甲斐宗輔らと藩権力の集権化を行い、地方知行制を維持しようとする伊達氏一門と対立する。一門の伊達安芸宗重と宗勝の甥にあたる伊達式部宗倫の所領紛争が起こると伊達安芸は幕府に一件を上訴する。

1671年(寛文11年)3月27日、騒動の裁判を行うため大老の酒井忠清邸に原田甲斐や伊達安芸ら関係者が召喚される。
原田甲斐はその場で伊達安芸に斬りかかって殺害する。
だが、原田甲斐も安芸派の柴田外記朝意と斬りあいになった。
原田甲斐は柴田外記によって斬られ、柴田外記もその日のうちに原田甲斐からの傷が元で死亡した。関係者が死亡した事件の事後処理では原田家や兵部派が処罰されるが、伊達家は守られる事となった。

……(@_@;)え!?

なんじゃこりゃあ!
どえらい騒動ですね。

しかも、山本周五郎はこの「原田甲斐」を”良い奴”側として描くはずですが……いったいどうなるんだろう。
中巻が楽しみです。

さて、人の描写で感じたことを。
原田甲斐と妻、律の関係や、おみやと宮本新八の「男と女の関係」が、非情に面白い。日本のドラマや映画などでなかなか描写されない、なさそうでありそうな粘っこいやりとりが、おかしみを誘います。ええ、中巻が、楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2013年3月31日
読了日 : 2010年2月25日
本棚登録日 : 2013年3月31日

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