暗渠の宿

著者 :
  • 新潮社 (2006年12月1日発売)
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本棚登録 : 151
感想 : 29
4

全ては他人事だからこそ面白おかしく読めたのかもしれない。少しでも共感を抱いて心を乱せば、この本をすぐにでも投げ捨てたい衝動にかられる。冷静な感情で読まなければ結構身体にも毒。と言うのも私自身、主人公(作者)と似たような感覚が多少あるからかもしれない(暴力は一切無いが)。不器用なところ、何かが歪んで足りないところ、一方で変な部分が純粋過ぎるところ。そしてその事に全く気づいていないところ・・・あと女にモテないところね。
自分を鏡で見ているかのような、自己嫌悪と現実逃避の狭間をグラグラしながら読んでいました。
でもね、世の中にこんな奴が他に居たのかという仲間意識か安心感も実はあるわけで。勿論相手は素晴らしい作家さんでありますけども。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年4月22日
読了日 : 2012年4月22日
本棚登録日 : 2012年4月12日

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