ママ・グランデの葬儀 (集英社文庫 40-A)

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制作 : 桑名 一博 
ジャミラさん ラテンアメリカ・カリブ文学   読み終わった 

中編「大佐に手紙は来ない」のほか、マルケス初期の7編の短編をおさめた作品集。
マルケス自身が『百年の孤独』以前に書いた作品は、すべて『百年の孤独』を書くための習作だった、と言っているが、この本は彼の作風が変化していく過渡期にあたるもので、その意味でなかなか興味深い。
「大佐に手紙は来ない」など収録作の多くはリアリズムの手法をとられ簡潔な文体描写が特徴であるが、後ろのほうに入っている「土曜日の次の日」「ママ・グランデの葬儀」などは『百年の孤独』を彷彿とさせるいわゆる魔術的リアリズムの萌芽がみられる。

どの短編にも共通していえるのは、彼の短編には、必ず一人(あるいは二人)印象的な人物が登場し、その人物を実に生き生きとじっくり描いている点で、それが彼の小説に圧倒的な「本当らしさ」を付け加えていると思う。振り返ってみると、どんな話だったか覚えているものはあまりなかったりするのだが、にもかかわらず読んでいる最中は不思議と小説世界に引き込まれてしまうのは、登場人物がもつ圧倒的な現実性に由来すると思う。

やっぱりマルケスは上手いなあ、と思い知らされてしまった。『百年の孤独』と併読すると面白さが増すと思う。

レビュー投稿日
2009年4月6日
読了日
2009年4月6日
本棚登録日
2009年4月6日
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