自転車通勤で行こう

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  • WAVE出版 (1999年10月1日発売)
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自転車通勤で行こう
疋田智
WAVE出版
221頁

 「自転車ツーキニスト」という言葉を聞いたことがあるだろうか?自転車で通勤する人を意味する言葉だが、この言葉を広めた人物こそが、本書の著者である。都市交通の中で自転車を活用することを勧め、特定非営利活動法人自転車活用推進研究会の理事と、学習院大学生涯学習センター非常勤講師を務めている。東京大学卒で、本業はテレビプロデューサー(TBS)である。現在は『ひるおび』を主に担当している。

 本書は著者が自転車通勤を始めるきっかけについて初めに書かれてある。マンションの住人の総会で古い自転車の処分について議論されていた。著者の長く使われていない愛車もその対象。錆びれた自転車を綺麗にし、再びその自転車に乗るようになる。マンションの総会の議論がきっかけで著者の人生は大きく変わった。
 
 また今後自転車が普及していくために社会に必要なことなどを説いている。本書以降も自転車的な社会になるようにメールマガジンや著者のホームページなど様々なメディアで彼の意見を聞くことができる。

 私事だが大学1年の10月から自転車通学を始めた。公共交通機関のあまり正確ではない時刻表(特にバス)が嫌いな私は、学校に通学する時間が何よりも嫌いだった。時間もかかるうえに、移動せず待っている時間が長い。イタリアの有名な自転車メーカーGIOSのクロスバイクを買い、通学の時間が大幅に短縮したうえに、交通費が月に1万円以上浮いた。8万円弱で購入したクロスバイクは1年たらずで元をとった!!夏は多少つらいが、いいことだらけである。
 
 クロスバイクということでスピードもそこそこ出るので、車道を走っているのだが、やはり自転車の立場の弱さを感じることがある。現在自転車は基本的に歩道を走ってはいけないのだが、車道を走る自転車の方がむしろ少ないと言えるのではないか?車道を走っていても、車に煽られ完全に邪魔物扱いをされる。歩道を走っても歩行者と事故を起こすと、100%自転車の過失になる。どこを走ればいいというのか。たまに警察が歩道を自転車で走っているのを見ると、もう法律なんてないんじゃないかとさえ思う。
大きくインフラが成長した時代に自転車のことが考慮されていないことが大きな原因の一つだが、自転車先進国であるヨーロッパ諸国をみならって、日本における自転車事情を改善させていく必要性があると私は感じる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年11月30日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年11月30日

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