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破船 (新潮文庫)についてのJET023さんのレビュー


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破船 (新潮文庫) 149人が登録 ★4.09

著者: 吉村昭 
本 / 新潮社 / 227ページ / 1985年03月発売

レビュー by JET023さん

 未設定  読み終わった  読了日 : 2012年01月24日  5  登録日: 2012年01月24日

父の本棚から拝借して、初めて読んだのが中学生の時。一気に読み切り、その夜は恐怖で眠れなかった。
今でも繰り返し読み返す、吉村昭の「破船」

徹底した取材と情報収集を下地に、静謐でいて鋭く写実的な筆致を誇る、ノンフィクションの帝王、吉村昭。

「破船」は江戸時代、とある漁村の因習が産み出した村の崩壊までの物語。

この小説に限っては多分フィクションだろうと思うが、どこかモデルになった地域があるのだろう。吉村昭の緻密な文章はまるでその現場に、その時代に居合わせた様なリアリティを持って立ち上がってくる。

とにかく怖い。恐怖というより戦慄を感じる。
自分達が生きるために行っていた日常の営みが、実は大きな別の意味を持つ行動であり「ムラ」という閉じられたコミュニティの無知が、集団の暴走が、村人達全員を破滅へと押しやっていくまでの感覚が、状況が、全て詳細に語られるからこそ怖い。

そんじょそこらのホラー小説では味わえない「人間の愚かさ」が生み出した恐怖をとことん味わいたければ、間違いない。この本しかない。 レビュー登録日 : 2012年01月24日


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