ヒトはどうして死ぬのか―死の遺伝子の謎 (幻冬舎新書 た 6-1)

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  • 幻冬舎 (2010年7月30日発売)
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地球上に生命が誕生してから約20億年間、生物は死ななかった。ひたすら分裂し、増殖していたからだ。ではなぜ、いつから進化した生物は死ぬようになったのか? ヒトは誕生時から「死の遺伝子」を内包しているため、死から逃れることはできない。「死の遺伝子」とはいったい何なのか? 死の遺伝子の解明は、ガンやアルツハイマー病、AIDSなどの治療薬開発につながるのか? 細胞の死と医薬品開発の最新科学をわかりやすく解説しながら、新しい死生観を問いかける画期的な書。

「死の科学」と言うと怖い感じがしますが、医薬品開発の最先端で研究されている、「死の遺伝子」「アポトーシス(再生系細胞にプログラムされた死)」「アポビオーシス(非再生系細胞にプログラムされた死)」「ゲノム創薬」などについて非常にわかりやすく解説してくれていて、その重要性がよく理解できました。基本的には科学書ですが、最終章では著者の死生観、医薬品研究の未来への思いなども語られます。薄くて文字数も少ないのですが、非常に内容が濃くて面白い一冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年10月16日
読了日 : 2013年10月16日
本棚登録日 : 2013年7月24日

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