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レビュー by jose1987さん
『まほろ駅前多田便利軒』の続編にして、前作を超える面白さでした。
これまでの多田と行天の物語は本作のためにあったのだな…という、言わば前作は、用意周到に拵えた前座のようなものだったのでしょう。
前作で形作られた舞台により、登場人物の関係性がハッキリしていることで、多田と行天の二人と依頼人とのやり取りが、前作に増して密で心情的に描かれています。
特に便利屋のお得意様・岡夫妻の岡夫人を通して物語が展開する『岡夫人は観察する』は、本作の中でも異彩を放つエピソードでした。
多田と行天の二人の関係性から、岡夫人が夫婦というものの在り方について思いを巡らせる…というものなのですが。
作者はこのエピソードの中で、人情味溢れる温かな描写によって、『愛』という堅苦しい概念を、いとも容易く単純な言葉で言い表しています。
私は、岡夫人の考えついた一言一言が、温もりのある言葉として深く心に沁み込むのを感じました。
必要以上に過去には踏み込まない。
この物語のそんな姿勢を体現したかのような終わり方にも、とても好感を持つことができました。
ファースト・タッチといい後味といい、文句なしの物語でした。
レビュー登録日 : 2011年12月08日






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