QED ~flumen~月夜見 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社 (2016年11月9日発売)
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本棚登録 : 229
感想 : 31
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相変わらず事件と関係があるようで、ないというかさして関係ない蘊蓄が延々とつづくが、それがQEDなのでファンにはたまりません。無駄万歳。そしてこういうアベック(タタルとナナ)は良いな、と思います、なんというかすこし異質な恋愛小説と言うてもええと思います。相変わらず事件は添え物、ていうか無くてもいいんだけど事件が無駄にはいっていることで、実際の話ではないアピールというか、学術書ではないんですよアピールというか(笑)。flumen流れはやっぱり軽くて簡単なので万人向きな反面、薄めなところがちょっと寂しくもあります。こんな感じで存外知られていない、失われつつある常識が世に知られる/盛り返すといいなぁ、と思う。ただ、タタルの話を聞かされる刑事さんたちはちと可哀想ではある。
 舞台は京都西、阪急嵐山線沿いの嵐山松尾大社周辺、松尾大社、月読神社、嵐電沿いの蛇塚古墳、広隆寺、大酒神社、木島神社、西京極運動公園の近所の衣手神社、平安京表鬼門(滋賀県)にある日吉大社、
そして蘊蓄がタタル選定日本五大怨霊神(素戔嗚尊、饒速日命、市杵嶋姫命、玉依姫尊、大国主命)、
本作の面白ツボは月読命の事、天照大神、素戔嗚尊、月読命、この三つ巴が誰の神様かというとこらへん。ちょと軽目すぎるので肩すかしでモヤモヤしますが、おもしろいミステリでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2016年11月19日
読了日 : 2016年11月19日
本棚登録日 : 2016年11月9日

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