有名な作品ではあるが、なんとなくとっつきにくい感じがしていままで食指が動いていなかった。じっさいに読んでみると、さすがに註釈も多く必要で、けっして読みやすいというわけではなかったが、筋書じたいはそこまで複雑ではなく、主人公とその案内人が地獄に行き、地獄の様子を見たり、罪人からその生前の罪状について直接告白を受けたりしながら各巣窟を進んでゆき、その最深部に辿り着くまでを描いたものとなっており、現在の社会派サスペンス作品のほうが、よほど構図としては難しいかもしれない。また、当然のことながらキリスト教の価値観――しかも12世紀当時――をもとに書かれているため、そのあたりを理解する難しさもあるが、当時の悪は現在でも悪であるものが大半で、そういう普遍性もじゅうぶんに感じられ、わりと身近に感じながら興味をもって罪人たちの様子や告白を読み進めることもできる。慣れないため読了には時間がかかってしまったが、ある程度のおもしろさがあることも理解したため、以後『煉獄篇』『天国篇』と連なってゆくが、そちらにかんしても順次読んでゆこうと思う。目標は、3篇とも年内に読み終えることである。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年11月30日
- 読了日 : 2014年11月30日
- 本棚登録日 : 2014年11月30日
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