後白河上皇の一生を4人の側近が語る。
後白河院は、保元の乱、平治の乱など藤原家摂関政治から平家、源氏の武士の時代へのパワーシフトの転換期にあって政治の中心であり続けた人物。
その他登場人物として気になる存在は信西入道。当時の摂関政治という旧弊に立ち向かった、という意味では彼もまた時代を動かした中心人物。
そのような人材を登用したところにも、後白河院の政治力の凄みを感じることができる。
一貫して書かれているのは、後白河院が時の権力者(平清盛、源義仲、義経等)を自らのコントロール下においていた、ということ。それには孤高の判断、つまり、それら権力者と一定の距離感を保ってきたこと、が挙げられるのではないか。
まさに源頼朝が評した「日本第一の大天狗」であったのだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2012年3月3日
- 読了日 : 2012年3月3日
- 本棚登録日 : 2012年3月3日
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