アメリカン・ドリームという悪夢: 建国神話の偽善と二つの原罪

著者 :
  • 三交社 (2010年3月1日発売)
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切り口としては、先日読了したHoward Zinn著の「A People's History of the United States」と同じトーン。
Sandersの主張と重なる部分も多い。
アメリカは富裕階層に支配され、オバマ政権であっても何も変革ができない、と否定的に捉えている。
確かに議会の抵抗があり、オバマ政権が当初描いていた目標を達成できていないのは事実かもしれないが、リベラルな面で前進感はあり、殊更否定的に捉える必要はないと思う。
アメリカという国が、黒人差別、原住民差別等、過去の歴史も含めて負の遺産に蓋をする国家体質があることは事実。
アメリカという複雑な国家を様々な切り口から、時には否定的に、捉えること自体は必要なのことだと思う。

以下引用~
・国家の誇りと国家の関係は、自尊心と個人の関係と同じ関係にある。つまり、その関係は自己改善に必要な条件なのである。国家が誇りを持ちすぎると好戦的性格と帝国主義が生じてくる。それは個人が自尊心を持ちすぎると傲慢になるのと同じである。しかし、自尊心が少なすぎると、個人は所信を貫く勇気を発揮することができなくなる。それと同じように、国家に対して誇りを持たなくなると、国家の政策について活発で効果的な討議が行われる見込みはなくなる。

・アメリカ合衆国ほど偏執的に自国の正当性と特異性、例外性を世界に向って強引に主張する国はない。

・私がこの一千年ほど言い続けているように、合衆国にはただ一つの政党、財産党があるだけだ。それは大企業の政党、お金の党だ。それは二つの右翼派閥を持っていて、一つはデモクラットでもう一つはリパブリカンだ。(ゴア・ビダル)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アメリカ
感想投稿日 : 2016年7月13日
読了日 : 2016年7月13日
本棚登録日 : 2016年7月13日

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