ナチを欺いた死体 - 英国の奇策・ミンスミート作戦の真実

  • 中央公論新社 (2011年10月22日発売)
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感想 : 23
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第二次世界大戦中に行われたイギリスの奇策ミンスミート作戦の真実を丹念に描いたルポ。実話なのに、スパイ小説みたいで面白い!こんな奇策を考え出して、しかもそれを実行しちゃって、まんまと騙されてしまう人がいて、まさに事実は小説よりも奇なり。
ジェームズ・ボンドの生みの親イアン・フレミングや、ジェームズ・ボンドの登場人物のモデルと思われる人物も登場し、まさにスパイ小説の世界。敗戦国日本と戦勝国イギリスの違いなのか、モンティパイソンを生んだお国柄イギリス人気質がにじみ出るからなのか分からないけど、日本の戦争物のような悲壮感がぜんぜん無い。
訳者あとがきにもあるとおり、「追従癖」と「希望的観測」によって騙されていく危険性は、現代日本にも通じるものがあって考えさせられました。翻訳もこなれていて、すごく読みやすかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史/人類学・世界史・宗教・戦争
感想投稿日 : 2014年5月5日
読了日 : 2014年5月4日
本棚登録日 : 2014年4月27日

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