「障害者の性」という概念を持ち出した途端に「非障害者の性」が立ち現れる。そこに違いはあるのだろうか。障害とは個人の能力を制限するモノである。しかし、それだけだ。障害者はその点以外では非障害者と変わらない。それどころか二つのグループの間に明確な境などなく、個人が障害者であるのは言葉の定義によるものでしかない。障害自体がそれを制限する場合を除いて、二つの性を分けるものだって存在しない。本書の豊富なエピソードを読んでいると、「障害者の性」は不当に当事者から奪われているからこそ存在する概念だという気がしてくる。性の本質を考える起点となる一冊。
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- 感想投稿日 : 2016年4月28日
- 読了日 : 2016年4月28日
- 本棚登録日 : 2016年4月28日
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