淳水堂の本棚»
南米小説をメインとした海外小説、日本文学、漫画や絵本を並べています。ネタバレしていますのでご了承ください。
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これも登録できるなんてちょっと感動。
「ボルヘス&ラテンアメリカ幻想」特集です。
作品紹介はなかなか充実。次に何を読もうか迷います。
バルガス・リョサのノーベル賞受賞で、このようなブックガイドが出ることを期待したんですがないんでしょうかね。
2011年11月09日
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南米短編
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読み終わった
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一番好きな作家、アルゼンチンの巨匠、ルイス・ボルヘス。言葉で迷宮を作る人です。アルゼンチン出身で、幼い頃から諸国を周り、国会図書館長も勤め、その博識は神学、哲学に及ぶ。その文章は決して堅苦しいものではなく、読書オタクが自分の好きなものを自分の周りに集めて喜んでいるような、書物や言葉への純粋な喜びを感じる作家です。
私にとっては史上最高の作家なのですが、内容は難解で何冊読んでも何度読んでも理解できない。しかしそれが嬉しい。分からないから何度も読み返す愉しみが味わえる。こんなに好きな作家に出会えたということが本当に幸せ。
★★★
「伝奇集」はボルヘスの代表的短編集で、辞典・迷宮・夢・各地の伝承や神話の収集・入れ替わり・エッセイ・論文的研究文・南米気質の男達の話、などが収められています。
一番心に残ったのが「八岐の園(やまたのその)」。一応ミステリー仕立て。八岐の園とは一つの本で一つの庭で一つの迷宮。時間とは均一で絶対的なものではなく、増殖し分岐し交錯する無限の編目であるというボルヘスの世界観が出ています。
夢から生まれた男が別の男を夢により生み出し、自分は無に還っていく話 / 円環の廃墟
「神の御名の文字は明かされた」その迷宮は、ユダヤ教の律法学者、キリスト教の一教派、赤色、コンパスと菱型で出来ていた。
迷宮的殺人事件に取り込まれた警部と犯人の話 / 死とコンパス
★★★
ボルヘスの言葉をいくつか。
「私は作家になるよう運命付けられた人間だが、作家であるより読書家でありたかった」
後半生は盲目となり、アルゼンチンの国会図書館長となった時の言葉「天は私に書物と闇を与えた」ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」に出てくる迷宮のような図書館の盲目の図書館長はボルヘスがモデルなのだそうです。
2010年05月23日
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南米短編
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読み終わった
(2011年05月23日)
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ボルヘスは、世界の神話や伝承、幻想譚などを取り入れた小説を書いている。これは古今東西の幻獣たちを集めたコレクション。正確な記述形式ではなく、そこから想像を広げボルへス的な解説が書かれていて読み物としても素敵。
一番最初に出てくる架空動物は「ア・バオ・ア・クゥー」どこかで聞いたような…?そう、ガンダムの要塞名ですね。監督が幻獣好きなんでしょうか。
解説では翻訳者がボルヘスを文学界の怪物として紹介。そうか、怪物が怪物を紹介している本だったのか。
2010年06月11日
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南米短編
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読み終わった
(2010年06月11日)
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ボルヘス自編の短編集。本人の解説付きなので割りと分かりやすい。テーマもボルヘスお気に入りの物が多い。探していた相手(または対立相手)が実は自分自身だった、鏡、迷宮、ミステリー、南部の男たちの話。
しかし私のお気に入り「八岐の園」がないのが不満だ..。
★★★
この世のあらゆる場所が同時並列する場所、アレフ。そしてそれを背景にした男の嫉妬/アレフ
ボルヘス主要テーマである南部の荒くれ男の物語。一応ミステリー仕立て。最後の一文で殺人の犯人が浮かび上がる。/バラ色の街角の男
「一人の男が絶対的存在を求める」という小説「アル・ムターシムを求めて」の解説文、という形式をとり、「探していた存在が実は自分であった」というテーマの小説。
ボルヘス作品では、元小説は存在しないのにあるものとして解説だけ書くというのもよくある手口。/アル・ムターシムを求めて
人が決定的に自分の正体を見抜いてしまう一瞬を描写した作品/タデオ・イシドロ・クルスの生涯
奪われるために全てを与えられた男の話。 / 死んだ男
自分の行動を恥じ続けた男が、死に際して過去を死に直した話。
いわゆるタイムパラドックスというようなものを哲学や宗教論から語った作品。 / もう一つの死
バビロニアの王が作った無数の階段や扉や壁の錯綜した青銅の迷宮に迷ったアラビアの王は、上るべき階段も押し開けねばならぬ扉も果てしなく続く回廊も行く手を阻む壁もない迷宮、すなわち砂漠を示す。
千夜一夜物語のような作品を書きたかった、という短編。
/ 二人の王と二つの迷宮
失踪した市政官を探しに来た主人公が迷い込んだインドの街。人々の言葉を辿り、付いた家で起きた出来事。そして事実を話しながら言葉の煙幕で主人公を留めた敷居の男。 / 敷居の男
★★★
2010年06月11日 | コメント(0) | 南米短編 | 読み終わった (2010年06月11日)
ボルヘス晩年の散文詩旅行記。全体的に穏やかで優しい雰囲気です。多数の写真は、秘書で最晩年に夫人となったマリア・コダーマによるもの。
一握の砂でサハラ砂漠を変えてみたり、ブリオッシュに物事の原型を見出したり、短歌に人間が存在していい理由を感じたり、ボルヘスの感性が出ています。
2010年06月11日 | コメント(0) | 南米短編 | 読み終わった (2010年06月11日)
ボルヘスと、カサーレスの共同著書。30年歳の離れた二人だけど、文学的には良い兄弟として交流し続けた。
★★★
まったくの無実で投獄された床屋のドン・イシドロ・バロディ。彼の元に難事件の相談が持ち込まれる。探偵役が牢獄にいるので、所謂「安楽椅子探偵」。ボルヘスはチェスタートンのような逆説的皮肉的探偵小説を好みその趣向が現れた事件。
事件解決としてはある意味屁理屈的ですが、純文学作家が趣味で探偵小説を書いているような、好きなことをやっている気楽さがあります。種明かしはボルヘスお気に入りテーマに沿っているので(殺した人と殺された人が実は反対だった、とか)ボルヘス作品数冊読めば大体カラクリは分かります(苦笑)。
また、バロディを訪れる相談者たちが饒舌で、自意識過剰で、これがラテン人種か?!と感じさせられます。
★★★
2010年05月29日
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南米短編
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読み終わった
(2010年05月29日)
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ボルヘスを館長として編纂された文学シリーズ、「バベルの図書館」の一冊。自分が好きな作家の好きな作品だけを集めた文学シリーズを出すとはなんと贅沢な読書家なのでしょう。
イタリアから刊行されたシリーズですが、青を基調とした装丁が美しく、並べると美術館のようです。この「パラケルススの薔薇」には、ボルヘスの短編とインタビューが入っている。
2010年05月23日
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南米短編
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読み終わった
(2010年05月23日)
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「文学は熱い火だ」スペイン語圏の小説に送られる賞を取った作者の言葉。政治活動も行いペルー大統領に立候補したこともある。永遠のノーベル賞候補者。
⇒追記:2010年ついにノーベル文学賞受賞!これを機会にラテンアメリカ文学の復刊お願いします!
★★★
砂の降る町、ピウラに流れた男が建てた「緑の家」という娼館の過去と現在。アマゾンの密林と都会。インディオの娘を一族から連れ出しキリスト教の教育を強要する修道院。インディオを手下に詐欺や略奪を繰り返す日系人とその妻と仲間たちの物語。搾取する白人に抵抗しようとするインディオの末路。故郷に帰ってきた軍曹と、昔の仲間と、緑の館の娼婦となっていた軍曹の妻。
川の支流のように別の話が語られ、最後には壮大な一つの流れとなる。
★★★
南米文学ではまったく違ったものが同居し物語を為す。都会の町から少し離れれば原始の密林。生者と死者が語り合い、雑多な人種が混在する。搾取する者、される者、それらの中間にいる者。都会で文明は発達しても、密林では太古からの生き方もある。南米小説の特徴としていくつもの時代や場所が交錯し、時系列が錯綜するというものがあるが、その中でも特に錯綜している作品。
同じ段落で過去と現在の会話が混在し、いくつかのテーマが細切れで語られるため別の人物と思って読んでいたら同じ人物の過去と現在だったり、また同じ人物と思っていたら同じ名前を付けれらた別人の話だったり。しかし文章構成は幻術的であるけれど内容はきわめてリアリズム。
ストーリーの違いは文体の違いで表現される。一番過去と現在が錯綜しているのが略奪者の日系人の物語。病で療養序所に向かう現在に、それまでの過去がない交ぜに語られる。
話の中心であるピウラでの語り口も年代によって変わる。過去のピウラは三人称であまり心情は深く触れないことにより伝説的印象を深める。現在のピウラは意気のいい会話調で語られ、終盤は誰かが登場人物に語りかける二人称形。この語りかけが純粋に美しい。「これでいいのかどうか、最後にもう一度考えてみるのだ。人生とはこういうものなのかどうか、もし彼女がいなかったら、あるいは彼女とお前の二人きりだったらどうなっていたか、すべては夢だったのかどうか、現実に起こるこというのはいつも夢とは少しばかり違うのかどうか、よく考えてみるがいい。そしてこれが本当に最後だが、お前はもう何もかも諦めてしまったのかどうか、そしてもしそうなら、それは、彼女が死んでしまったからなのか、それとも自分ももう年なので、次に死ぬのは自分だと悟っているからなのかどうか、そこのところをよく考えてみるのだ」
場所も時代も表現方法もまったく違ういくつものストーリーが、ラストに向け別々のものが一緒になる感覚は読書の楽しみを味わえる。
2010年12月11日
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南米長編
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読み終わった
(2010年12月11日)
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若く美しく官能的な後妻ルクレチアを迎えた中年男性ドン・リゴベルトは新たな生活に満足している。特にエロチックな絵を見てからの行為は。
しかしドン・リゴベルトの息子アルフォンソ少年は無邪気を装いルクレチアを誘惑、二人は関係を持ってしまう。それを知ったドン・リゴベルトはルクレチアを家から追い出す。
…というのが前作「継母礼賛」。「官能の夢」はその続編。
聡明で魔的魅力のアルフォンソ少年が、父親とルクレチアとのよりを戻させようとルクレチアを訪ねるところから始まる。この家族の物語に、古代ギリシア神話や聖書を題材にしたポルノグラフィが差し込まれる。覗き、フェティズム、レズビアン…。その挿話も現実の家族の話もかなり際どく行為が書かれているのだけれど、どこか滑稽で楽しい。インテリ作家が楽しみながらエロス総括論を書くとこうなるのかという感じです。
2010年10月14日
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南米長編
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読み終わった
(2010年10月14日)
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暗殺されたドミニカ共和国の独裁者トゥルヒーリョの最後の一日と、彼の暗殺に係わった者たち、そして故郷に複雑な思いを持つヒロインの物語とが入り組み、一国の歴史、人々の精神描写、時代の移り変わりを描いた長編。
