ロスノフスキ家の娘 上 (新潮文庫 ア 5-5)

  • 新潮社 (1983年2月1日発売)
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本棚登録 : 430
感想 : 33
5

『ケインとアベル』の続編にあたる作品。

アベルの娘フロレンティナの誕生から始まり、
前半は彼女の目から見たケインとアベルの物語が展開する。
おかげで、『ケインとアベル』を未読の読者でも、
支障なくこの小説を楽しむことができる。
『ケインとアベル』を読んだことがある人にとっても、
違った目線から見たこの物語はたいへん興味深い。
この辺の気配りはアーチャーの上手さが光る。
もちろん、『ケインとアベル』を事前に読んだほうが、
よりこの小説を理解できるし、楽しむことができる。


やがてフロレンティナはホテルの会長→アメリカ下院議員→上院議員と、
幼少の頃の夢を実現すべく成功への階段を上っていく。
巧妙な政治的罠にはまり、大統領への道は絶たれたかに見えたが!?

最終的に『新版 大統領に知らせますか?』へつながっていくんですね。

アーチャーの作品を読んだ後は、
次にどんな小説を読んだらいいか困ってしまう。
彼の後に下手な小説にあたってしまうと、
穴ぼこだらけに見えてしまうのだ。
それだけ彼の作品はよくできていて完成度が高いという証左なのであった。

これは上下巻両方読んだ上での感想です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年2月23日
読了日 : 2009年4月29日
本棚登録日 : 2014年2月23日

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