三度目ならばABC

著者 :
  • 講談社 (1987年10月8日発売)
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感想 : 12
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MTVテレビのお昼番組「奥さまお昼です」の金曜日に放送されてる実際の事件をドラマで流してた。
そのドラマを作る弱小プロダクションに勤める、織田貞夫と土佐美郷。
小柄の美郷は、自分達の紹介の時「上から読んでもおださだお、下から読んでもおださだお。上から読んでもとさみさと、下から読んでもとさみさと、どう面白いでしょ?」と自己紹介をする。
二人は、山本山コンビとして知られるようになった。

プロデューサーから頼まれた仕事の事件を二人が解いていく6つの連作短編集です。

「三度目ならABC」
ライフルで窓を狙撃する事件が二件続いた。
いずれも被害は窓ガラスだけだったが、三件目は人が殺された。
美郷は、この事件を聞いて「ABC殺人事件」を思い出す。
きっとその方が面白いと言う美郷の意見を貞夫が解いていく。

「電話だけが知っている」
「奥さまお昼です」の番組に届けられた一通の手紙には、「助けてください。」と書かれていた。
喫茶店で働いてる彼女は、警察に逮捕された妻子持ちの恋人を助けようと手紙を出したのだ。
二人が調べると、不振な点が見つかる。
美郷は、論理を飛躍して真犯人の名前をあげたのだが・・・。

「三人の夫を持つ亜矢子」
40代の女優・亜矢子は3人の夫を持っていた。
事件は、ファーストがサードを殺したと、新聞に書かれた。
調べを進めるうちに不振な点が見つかる。
美郷は、セカンドが怪しいと睨むのだが・・・。

「七人の容疑者」
誘拐事件を調べてた二人だったが、聞き込みをしてる最中に車から美郷のカメラが盗まれた。
調べた事をドラマにしようと考えてる貞夫だったが、美郷はカメラを盗んだ犯人は、聞き込みをした七人の中に居ると言う。
貞夫は、そんな美郷に呆れて仕事をしろと言う。
二人は事件を話し合うのだが美郷は、カメラを気にする・・・。

「十番館の殺人」
脚本を書き終え、役者を揃えて事件の再現を撮り始めた。
ドラキュラ・フランケンシュタイン・蛇女・・・・などの役者が演技を始めた。
事件は、仮装パーティーで起きたのだ。
撮り始めてすぐに不自然な所が見つかった。
貞夫は、日にちが無いので撮りたいのだが、美郷は推理を始める・・・。

「プールの底に花一輪」
高級スイミングスクールのプールの底で主婦の全裸死体が発見された。
プロデューサーは、黒い長い髪の美人を使うと絵になるのでは?
美郷は、女性はショートヘアーのようですよ!と言った。
捕まったのは、このスクールに勤めるコーチだった。
泊り込んで酔いつぶれてた彼しか殺す事が出来ないと警察は判断したのだった。
美郷は、第一発見者の同僚のコーチが怪しいと睨むのだが彼にはアリバイが・・・。

以上6つの話が詰まってます。
どの話もユーモアがありますがミステリーのトリックは、奇抜です。
短くてもやはり岡嶋二人ですね
主人公の山本山コンビが面白いですよ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 笑えるミステリー
感想投稿日 : 2009年1月27日
読了日 : 2009年1月27日
本棚登録日 : 2009年1月27日

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