2013年12月に出た本。
基本的な説明がわかりやすく、冷静な荒川さんらしい書きっぷり。
ソチ・オリンピックを前に読むのが最適だったでしょう。
オリンピック経験者、金メダリスト、プロスケーター、テレビ解説者という荒川さんの経験が生きている本です。
今現役の選手の多くと共に試合に出て、ルールの変更にも対応してきたから、実感を持って説明できている内容。
第1章 ルールと採点基準
第2章 ワンランク上のシングル競技観戦
第3章 選手たちの舞台裏
第4章 振付師とコーチたちの役割
第5章 私のオリンピック体験
第6章 ソチオリンピックでの戦いはここに注目
第7章 メダル候補たちのここに注目
ルールは毎年、変更されているんですね!
より公平になるよう偏りすぎないように改変が加えられているのだが、選手はかなり振り回されてもいる。
どういう技術が優れているのか、という素人目にはわかりにくい審査員の観点を解説してあります。
しかし結局、演技力、芸術性については~~審査員個人の感覚というか好みになってしまうという‥
時には、一般の観客に妙な感じを与えるのもいたしかたないところ?
スケート靴が合わないという謎の現象も、説明してあります。
革で出来ているので伸びやすく、手縫いなので一足ごとに違い、履いているうちにどこがどう伸びるかわからないんだそうです。
何足も作って慣らしていっても、いざとなると合わないということが起きてしまうんですね。
自らのオリンピック体験については、本音が漏れている感じ。
今となっては確かに‥時代が違うかも。
ちょっと前の迷走ぶりに比べて、トリノへの集中力は凄かったですよ。
それほど注目されていなかったのがかえって、良かった?
主要選手のいいところ、気になるところもまとめてあります。
まだソチオリンピック出場選手が決定する前に書かれているので、ここ数年の活躍ぶりを振り返る感じですね。
コストナーの評価の高さなど、確かにね‥
そうそう、シーズンはじめはロシアのソトニコワも苦労している印象が強かったし、リプニツカヤなどはまだ活躍する前の時点だったんだ‥
今後どの選手が引退するのか、まだはっきりしていないこともあり、これからの試合ではどうなるのか‥
真央ちゃんについて、ジャンプが注目されがちだが、芸術性も素晴らしいと。
スピンやステップもレベルが高く、かえって簡単にやっているように見えてしまうほど。何をしても姿勢が綺麗な、天性の美しさを持ったスケーターだというのが印象に残りました。
- 感想投稿日 : 2014年6月25日
- 本棚登録日 : 2014年5月30日
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