獣の奏者 (3)探求編

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  • 講談社 (2009年8月11日発売)
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4部作の3作目。
前2作からは11年がたち、エリンはイアルと結婚して、息子のジェシを育てている。
イアルは真王の護衛士である「堅き楯(セ・ザン)」をやめて、指物師に。
エリンは王獣を増やし、いずれは戦闘にも使えるようになるようにとの可能性も意識しつつ、訓練を続けている。
王獣をそこまで操れるのはエリンだけ。
古い禁忌に触れることなのだが、大災厄が起きたのが事実なのかどうか、その理由や詳細が明らかでないのだ。
真王(マジェ)のセィミヤは、王獣をみだりに戦闘に使わないと約束していたが、他国が攻めてきた場合のことを考えて、やむなく訓練をしているエリンには、ある覚悟があった‥
闘蛇村で<牙>の大量死が起こり、エリンが調査に派遣される。
時々あちこちで起きていることを知って、条件を探っていくエリン。
かってエリンの母は<牙>の死の責任を取らされて処刑されたが、それは慣例に添うものではない不当な刑罰だったことも知る。
もっとも古い闘蛇村へ赴き、そこに隠された事情を知ることに。
探索の護衛に付いていたヨハルは大公シュナンの側近で、大公の血縁に当たる血筋の武人。それだけでなく、最古の闘蛇村のあるアマスル領の領主でもあった。
そこでは大量死は出ていない。
その村では、緑の目をしている子供が生まれることがあったのだ‥
エリンも平和な家庭を持った時期があったのは、ちょっとほっとしますけどね。
開巻するともうすぐに危機が始まる‥
ぐいぐい引きこまれる展開。
格調があり、読み応えたっぷりです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2010年10月9日
読了日 : 2010年10月8日
本棚登録日 : 2010年10月8日

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