おぅねぇすてぃ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2010年4月24日発売)
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本棚登録 : 134
感想 : 13
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安心して読める宇江佐真理さんの作品。
単発です。
「八重の桜」も終わりかけて、明治時代の話が読みたいと思って、見つけました。

明治5年。
函館の商社で働く雨竜千吉は、英語の通詞(通訳のこと)になる夢を抱いていた。
幼馴染のお順は通詞の娘で英語が出来た。お順がアメリカ人の妻になったと知って、ショックを受ける千吉。
何の約束もしてはいなかったのだが‥
お順は正式な妻になったのだが、それでも洋妾(らしゃめん)呼ばわりされていた。
再会した二人の心は通じ合い、お順は夫に離婚を申し出る。
夫は1年間は再婚せず、男とも付き合わないという条件をつけ、配下に監視させた。

千吉は仕事の都合でお順とすれ違う。
夫との約束のために千吉と連絡が取れないお順は、女学校の助手となるが‥?
急激に変化する当時の状況を丁寧に盛り込みながら描かれるのが面白い。
歴史上有名な人物も出てきます。
いささか優柔不断な千吉と、もともと気風のいいお順の、もどかしい恋のみちゆき。
武家の出の千吉と町人のお順とでは、ちょっと前ならむしろ結婚が難しかったというのも不思議な時代ですよね。 
平成13年に刊行された作品。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2013年12月28日
読了日 : 2013年12月15日
本棚登録日 : 2013年12月15日

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