キングとジョーカー (扶桑社ミステリー テ 9-1)

  • 扶桑社 (2006年11月1日発売)
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本棚登録 : 79
感想 : 10
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数々の賞を受賞しているピーター・ディキンスンの代表作の一つ、復刊されました。現実とは異なる系図になっている架空の英国王室が舞台。ビクトリア女王などは同じなのですが、70年代とおぼしき時代に王はビクター2世。ヒロインはその娘で12歳のルイーズ。朝食の席で父王(キング)の秘密に突然気づくルイーズ。一方、ハムの入っているはずの盆の蓋を取るとそこにはがまガエルが…!?ジョーカーのいたずらは次第に悪質になっていき、ついに殺人まで起こります。ルイーズは次第に核心へと迫ります。癖のある登場人物達、特に王家の赤ちゃんを11人も面倒見た(今は高齢で寝たきりなのですが)乳母は宮殿の主のようで印象的です。細部までリアルで妙に生々しい架空王室…実在の王家はもちろんこんな風には書けませんね。葛藤しつつ現実を受け入れる少女の心意気は感動的でした。こんな作品を読むと、生きていて良かったかもと思える〜勇気を分けて貰えます。読み応えのある作品でした!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外小説
感想投稿日 : 2009年9月26日
読了日 : 2009年9月26日
本棚登録日 : 2009年9月26日

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