ダイアナ妃が事故死した後、イギリスを揺るがした1週間。
エリザベス女王はじめ王室やブレア首相の対応を緻密に描きます。
離婚が成立した翌年、ダイアナ元妃がパリで事故死。
世界に衝撃が走りました。
バルモラル城にいたエリザベス女王一家は、既に王家を離れた人のことで前例もないからと、コメントも出さず、休養を続けます。
二人の王子をマスコミの喧騒から守るためでもありました。
しかし、ウィンザー城の前にはダイアナ妃への花束が山のように捧げられ、空気は追悼一色に。
王家の対応が冷たいと、世間の非難を浴びることになりました。
5月に首相に就任したブレアは労働党の党首。つまり革新派です。ブレア夫人は王室廃止論者。
ブレアはダイアナ元妃を悼むコメントをいちはやく公表し、女王に帰還を求めます。
エリザベス女王は当初は一部のマスコミが扇動しているだけと思い、毅然としているべきだという母の考えに同調しますが、テレビなどの様子で間違っていたかもしれないと考え始める。
女王の夫フィリップは尊大な古い男で、母を失った孫を慰めるためには猟に連れて行くことしか考えない。
チャールズ皇太子はいささか情けないけど、さすがに世間の人気はよく承知している。
ダイアナ妃のことを感情を素直に表す素晴らしい母親だったと認めていて、それをエリザベス女王に告げるのは暗に女王はいい母親ではなかったといっている様子だったり。
見てきたように描かれる王家の人々の発言は事実そのままではないでしょうが、誰がどんな考えでいたかはよく取材したのでしょう。
国葬が決まり、世間的にはブレアが善玉で勝利し、女王が説得に負けたと取られる。
一方、ブレア個人は女王に接するうちに敬意を深めていきます。
バルモラル城はスコットランドにある王室の私的な夏の保養地。「至上の恋」ではヴィクトリア女王がこもっていたところです。
あまりにも広大な敷地、美しい光景に心癒されるようで、英国王室の人が気に入っているのもわかります。
大きな鹿に出会い、女王が感銘を受けるシーンも印象的。
ヘレン・ミレンの女王そっくりの歩き方や表情、気品と威厳が素晴らしい。(まとわりつく犬達が何とも可愛い)
国葬で演説するときの、哀しみをたたえた目が印象的でした。
アカデミー賞の主演女優賞を受賞しています。
- 感想投稿日 : 2014年3月20日
- 読了日 : 2014年3月20日
- 本棚登録日 : 2014年3月20日
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