キャロリング

著者 :
  • 幻冬舎 (2014年10月22日発売)
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本棚登録 : 4425
感想 : 544
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クリスマスにまつわる物語。もっとファンタジーチックな物を想像していたらいい意味で違っていた。
有川作品にはいつも、自分の琴線に触れる言葉がある。
「それでも自分の胸には自分の不幸が一番痛い。だから比べたって仕方ないのだ、他人にも自分にも。」
「子供はいつだってまともに受け取るんです。親に与えられたものは何でも。」
前の作品を読んでても思ったけど、有川さんは人の心にとても敏感で、子どもの頃からいっぱい言葉で傷ついてきたことがあるのかもしれない。そしてそれをストレートに表現できる人。だから私はいつも有川作品に心をえぐられるのかもしれない。
航平の家族は元には戻れなかったけど、前には進めた。
大和も柊子も、赤木も手下もみんな。
現実はこんなにうまくいかないし、こんな出来た人たちばかりじゃないけど、そこは物語なので。
希望があって良かったと素直に思いました。
私にとっては有川作品の中でも上位に入る、お勧めの小説です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2015年3月29日
読了日 : 2015年3月29日
本棚登録日 : 2015年3月29日

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