レベッカ・ホルン展へ行く予習のために読むはずが、あれよあれよと当日で、結局復習になってしまった。本では動きが見えないのが残念だ。きこきことか、じじじじとか音を立てて回転する、ぎこちなく精密でない動き。そこに唯一無二の物体とした世界が拡がっているのだ。あとは余白の美学。周りの壁や床からも言い得ない美しさが放たれていて、作品を包み込むというのではなくて、個々に独立した乾いた美しさがあった。本には作品展には無かったものも載っていて、これはこれで別の作品でもあると思う。
写真にはアングルがある。写真家から見た、製作者から見た、ベストのアングル。それはやっぱり否応無しに美しいと思うし、ある意味破綻されない美でもあると思うけど、個々の心にぐぐっとくるアングルだとは限らないのである。直接見て、感じて、自分だけの角度を持つことが、この上ないことなのだと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
art
- 感想投稿日 : 2011年3月4日
- 読了日 : 2010年1月19日
- 本棚登録日 : 2010年1月19日
みんなの感想をみる