父親になる、父親をする――家族心理学の視点から (岩波ブックレット)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002708119

作品紹介・あらすじ

いま、育児に熱心な男性=「イクメン」が注目されている。しかし実際には、「イクメン」は依然として少数派にすぎず、父親の役割に関する社会の誤解や思いこみも多い。そもそも父親とは何なのか。父親による育児はなぜ必要なのか。父親をすることが家族や男性自身にもたらす意義とは。家族心理学の豊富な研究成果をもとに考える。

感想・レビュー・書評

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  • ケアワークとしての「父親をする」事について平易に論じられている。

  • 客観的なデータをもとに説明しようとしているが、結局は、「女性がしてきた育児と同じことを男性もするべきだし、できるよ」という、自分であらかじめ想定したストーリーに沿ったものだけを当てはめているため、客観的に俯瞰するとおかしなデータの読み方になっていることもよくあった。
    また、作者が女性だから仕方ないのかもしれないが、「女性がしてきた育児が正」の前提で、男性が育児に携わらないことを論じているため、「女性のしてきた育児に間違いがある」という視点が決定的に抜けているのが残念な本である。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:367.3||K
    資料ID:95180735

    父親をすることが家族や男性自身にもたらす意義とは。家族心理学の豊富な研究成果をもとに考察されています。

    〈小児看護学領域推薦〉

  • 時が来たらもう一度読むべき一冊。

  • これを手にしたお父さんは、真摯に自分と向き合っている人であろう。権威的にしがみつくのではなく、自分とパートナーと子供にとってのあるべき姿を求めているような。

    小学生と中学生の子どもを持つ、日本の父親である私にとって、本書は意識変革を自身にも社会にもともに迫られる良質な啓蒙書であった。

    男性の過労死、女性の育児不安にも触れた本書の意義はこれから発揮されるだろうが、もっと早く出会っておきたかった気もする。

    次の課題は、雇用の安定か。

    ・子どもの泣き声を否定的に受け止めるのは、子どもとの日常的な関わりがない人。
    ・父親の家事時間が少ない場合、出生率が低くなる。
    ・母に重きをおく愛着理論の妥当性は疑義がある。
    ・ラポールトークとレポートトーク
    ・ 日本の家族内ケアの国際的な低レベル
    ・仕事一筋、活動数の問題
    ・長時間労働との相関:⑴ワーカーホリックな上司⑵残業する人が高評価⑶仕事の裁量度が少ない

  • 子どもと遊びながら読了。タイトルと違って、父親らしさ・母親らしさといった通念的なジェンダーによる違いを否定する内容だった。男性の家事・育児の参加を促すのが主旨。たしかに心理学的父性愛も母性愛も文字通り父母のみから受ける必要はないな、と納得。

  • 【読書その59】父親の意味を家族心理学及び発達心理学の研究からわかりやすく書いた本。岩波ブックレットでわずか70ページの本だが、得るものは多い。
    本書では「子育ては母親中心」や「父親の出番は子供が青年期になったから」といった考え方を、他の動物との違いを明らかにすることにより、人間の子供の誕生や育ちにおける特徴から父親が育児に関わる必要性を論じている。そして、父親が育児に関わることで、子供の成長、妻の心理、さらに自分自身の成長・発達に多大な良い影響を及ぼすことを説明している。この本を読んで、尊敬する政治学者である丸山真男の「日本の思想」の有名な論文「であることとすること」を思い出した。「父親である」ことが重要なのではない。「父親をする」ことこそ重要。

  • 70ページくらいなので簡単に読める。
    データや出典がちゃんと書かれていて良心的。

    ヒトの育児は自立までの期間の長さ・自立に必要な能力の複雑さから母親だけでできるものではなく、いろんな人・社会との関わりが必要。
    育児家事は母親が向いているとか、父親は趣味として育児に関わる傾向があるといわれるが、それは男女の差ではなく、育児を第一責任者として行っているかどうかが一番の違いであるとのこと。

    育児に関わる父親の場合、子供が「父親のようになりたい」という割合が高く、また困った時に父親に相談したいと考える割合も高い。
    この部分、自分自身に照らしてみて実に合点がいった。まったく逆の方向でだけど。
    もういい加減年だけど、今でもそうだもの、子供との関わりは大事だよなと思う。

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著者プロフィール

東京女子大学名誉教授

「2018年 『ウォームアップ心理統計 補訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柏木惠子の作品

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