るうさんの本棚»
ぼちぼち読書感想文を。 全編ネタバレだと思って読んでください!
レビュー by るうさん
気になってはいたものの‥優先順位は低く。
図書館の本棚にあったから、よくわからないままなんとなく借りる。
帯を見たらものすごく読みたくなって、あとは一気読みでした。
んーと…
「模倣犯」と同じような、どろどろが残りました。
ただ、全編通してドラマっぽい…劇的な色が強くて、あの作品よりも読後は軽め。
少しずつ見えてくるのかな、と思っていたら、事実はほとんどが第一章でわかってしまう。あとはそれぞれの視点で、それぞれしか知らない内面的な事実が明かされる仕組み。
読み始めた時と読み終えた時で、登場人物一人ひとりに対するイメージががらっと変わりました。
●聖職者
「細部も読み落とさぬように…」と気をつけて読んでいたんだけど、序盤からやんちゃ先生=担任 森口の夫 =愛美の父 とわかり…いや、それより何より、何も知らないで読み始めた私は、本の帯にある"愛美"が4歳の子どもだと知り、ショックを受けましたw
同じ4歳の娘を持つ母親です。。
この1章だけ読むと、単に"静かに、人知れず復讐を果たした母"という感じ。
● 殉職者
んぅ〜、犯人Aがイジメにあいはじめ、それに美月が巻き込まれるところはすごく怖かった。子どもだけではない、こういう心理って。その後二人が仲良くなってくことにも実は含みがあること、最後まで読んだら「え、そーだったの?」
●慈愛者
犯人Bの母の日記。
正直、彼女の書いてることの中には、現在母親である私にしてみたら"そうだよなぁ…"と同意できる部分もあった。あっただけになおさら辛く感じた。
ただ
『ひきこもりの原因は家庭にある。その理屈で考えると、直樹は絶対に「ひきこもり」ではない』
こりゃぁ…途中から認識が間違ってますでしょう…w
だけど、私には彼女を責めることはできません。
●求道者
さて、ここから、だ。
最初から前章までに形作られた「フツーに健全な直くん」のイメージが変わる。小心者で、エイズが空気感染したり髪からもうつると信じてしまってるような、軽薄なイメージに。劣等感いっぱいで育った…というのはよく理解できるんだけど、病気を親にうつさないことが第一に優先させることだと思ったり…ここでも認識が間違ってますでしょう。
だけど、オヤがオヤなら…………なんてことは、やっぱり言えない私。
●信奉者
さて。犯人Bが美月を利用してただけであることがわかり。
彼から見ても美月が電波系というのか?思い込みの激しい子だったことがわかり…
っていうか、中学生って多かれ少なかれそういう時期だった気もする、私も含めて。
Bがマザコンだったことがわかり。
ただそれだけの動機であったことがわかり!
結局、AもBも美月も、どうも偏ったものの見方をする上に自己中だった、と。
中学生だったらそう思うかなぁ? どっかでママにつながるのかも、って考えちゃうのかなぁ、いつまでも小さかった頃のママの思い出から解放されないって、ある意味呪いだよなぁ。冷静なのに、自分の考えてることがオカシイことに気づけないのが怖い。
●伝導者
執拗だ。 愛美の母はしつこく追ってった。すごい。
ラストの件に関しては、多少大げさだなぁとは思ったけど、研究室にしかけたのはアリだよなw まっ、ドラマ演出〜ということで。
文中、『修くんは自分の倫理観がおかしいことに気付いていたのに、それをママのせいにして…』みたいなこと書いていたけど、彼はあれで気付いていたって言えるのだろうか。なら、気付いていたことを知ってる森口こそが、彼を支える役を担うべきだったのでわ?
宮部みゆきさんは作品を通して"親子の悪質な連鎖は断ち切れる" と思ってる(と私は思う)が、この人はここでは逆のことを書いている、ように思う。特に、母親との関係。
少々不幸な境遇で育った彼に、結構キツいこと言うよなぁ、って感じちゃうのは、単に私が傍観者だからなのか。ただのマザコン妄想のせいで、自分の娘が死んだとしたら、ここまで復讐できちゃうのだろうか。。彼の不幸な境遇を知っていても、彼を哀れむような気持ちは全くもって生まれてこないのだろうか。
彼女は、教師である前に、100% 母親だった。
登録日 : 2010年03月17日 22:58:53


コメント
まだコメントはありません。