ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

  • 三笠書房 (2006年5月8日発売)
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本棚登録 : 4752
感想 : 536

十数年前に読んだダニエル・ゴールマンの「[http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062080486/250-5045663-9647462?v=glance&n=465392:title=EQ―こころの知能指数]」に非常に似た印象を受ける。内容はしごくまともで私が常日頃思っていることと同じようなことが多く語られていると思った。アメリカはマニファクチャーを日本に持っていかれ、ITをインドに持っていかれた。では次なる拠り所は何か?

あらゆる商品は世の中に受け入れられた時点からチープ化しコモディティー化する。もはや機能や値段では勝負できなくなる。最後に残る差別化はデザインのように人間の感情に訴える「質」であり「経験」である。ダニエル・ピンクはそれらを「ハイ・コンセプト」という概念でくくる。これまでの論理中心だった「左脳型」から感性を操る「右脳型」への転換が一つのキーポイントになる。

「ハイ・コンセプト」を磨く具体的方法が模索される。そのためには「6つのセンス」を磨くこと。6つとは…
+デザイン
+物語
+調和
+共感
+遊び心
+生きがい

結構具体的な事例を盛り込んでいるが、アメリカで何が流行しどんなカラーのメディアがあるのか知らない我々にはいまいちピンと来ない部分が多い。この辺は日本版に作り替えて例を提示してくれないとダメだ。

訳者の大前研一は筋金入りの左脳人間なのではなかったのか思う。勝手な推測だがダニエル・ピンクも同じコンテキストの人のような気がする。そういう人が右脳型への転換を言い出すのにはちょっとうさんくささを感じないわけでもない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人文
感想投稿日 : 2016年4月24日
読了日 : 2006年6月26日
本棚登録日 : 2006年6月26日

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