YAとして中高生から読むといい本だなと思う。帰属と母語をめぐって揺れる青春の物語。越境する子どもたちの悩みはますます普遍的になる時代なので、各学校図書館に一冊あるといいな。
作中「台湾語」と台湾の歴史について説明が少ないのが気になる。明治の日本統治以前は福建などからの移住が多かった、台湾の半分は清の手が入らず原住民の言葉が話されていた、中華民国政府が共産党に追われて来てから北京語を話す人達が優位になった……とわたしは認識しているのだが、そのあたり簡単にでも説明が欲しかった。
主人公は歴史にまったく疎い19歳という設定なんだろうけど、こんなに「台湾語」で悩むなら台湾語とは何かを調べる場面があるはずだと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説一般
- 感想投稿日 : 2017年10月1日
- 読了日 : 2017年10月1日
- 本棚登録日 : 2017年10月1日
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