天使の梯子 Angel's Ladder

著者 :
  • 集英社 (2004年10月26日発売)
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本棚登録 : 1984
感想 : 337
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 先に読んだ『天使の卵』の続編。春妃が無くなってから10年後の話。
 間を空けずに続編を読んだせいか、作品内の時間の経ち方に少しとまどいがあり、少し間を空けて読んだ方が良かったのかも、と最初感じた。
 本作品での主人公は、春妃の妹の夏姫に恋をする古幡慎一。あの頃の春妃と歩太と同じように年下の男子だ。
 前作はとても整ったお話だったのだけれど、本作はとても小説っぽい起伏に満ちたものになっていて、流石に作家の成長を感じる。『天使の卵』も(予想以上に)良かったが、断然こちらの方が好みだ。
(以下ネタバレ)
 特に、慎一と歩太が対面するくだりが良い。前作を読んでいる読者は背景がわかっているので、慎一の抱く感情を見守ることができる。若者が悩み苦しんでいることに心を寄せ、応援したくなる感じ。常に冷静な歩太の姿勢も心強いというかとても好ましい。うまく読ませるなぁと思う。
 続編であることをうまく活かした、心地よい作品だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内小説
感想投稿日 : 2012年10月24日
読了日 : 2012年10月22日
本棚登録日 : 2012年10月24日

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