ヨーロッパ帝国主義が世界の覇権を握った理由を中世・ルネッサンス期に人々の世界観や思考様式の変化に求める本。
西欧史、西欧精神史といった内容。
物事を厳格に観測しようとしたら数値化が必要になってくるが、数量化という概念が発達したのは宗教と商売からというのが面白い。
とくに宗教は妨げともなってたりするし、論理的な考え方がゆえに大問題になってたりと影響は大きかったようだ。
儀式がゆえに正確な時間が求められ、数学的な正確さと今までとの整合性のどちらをとるかといった葛藤が起きる思考様式的背景は興味深い。
日本なんて暦の調整はうるう月、ある年だけ一ヶ月多くなるとかでしたから大きな違いを感じる。
筆者は大きな変換点、数量化革命の十分条件を「可視化」としている。
単なる数値化は世界のいたるところで程度の差はあれ存在していたが、
目に見えないものを見えるようにする、まさに神の視点を手にする行為ともいえる可視化、そして可視化による数量化の概念がさらに広まり世界は変わる。その変化はまさに革命と呼ぶに相応しいものと思われる。
西欧史、人類史の見方の一つとしては抑えておきたい考え方と思うが、主題が多くの人々の考え方の変遷をあつかうものであり、扱う範囲も広く、理解が難しいと感じるものが多かった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史・人類史
- 感想投稿日 : 2013年5月28日
- 読了日 : 2013年5月28日
- 本棚登録日 : 2013年5月28日
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