臨床研究と論文作成のコツ 読む・研究する・書く

制作 : 松原茂樹 
  • 東京医学社 (2011年7月7日発売)
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感想 : 7

 本書は、「論文を読む」「研究する」「論文を書く」の三部構成となっている。
 忙しい臨床医がいかに研究し、論文を書いていけばよいのかのエッセンス満載で、これまで誰も教えてくれなかった、いや、教えることが難しかった研究者が長年かかって体得するスキルを明示してくれている(私見だが、これを読むと読まないとでは3年分の研究スキルが短縮できる)。よって本書は、研究の初心者から中堅向けで、全ての章がきっと本校学生のあなたにも役に立つ。
 医療を担う者は、患者さんのためにその能力を伸ばすことが常に求められ、能力を伸ばせる者が医療を担うことができる。本校で勉強をしている学生であれば、資格取得前でも能力を伸ばすための勉強をしているところは既に医療人と言っても良い。本書はそんなあなたに薦めたい。あなたは在学中に、教科書を読んで理解する延長で研究論文を読まなければならないし、レポートを書く延長で症例報告を書かなければならない。また、勉強や臨床の中で生じた疑問など、自分で解決していくために必要なスキルが、研究のスキルそのものだからである。
 内容に少し触れよう。「論文を読む」は、論文を読みたくなるまでの道のりに始まる。「研究する」は、臨床研究テーマの選び方に始まる。「論文を書く」には、うまい症例報告の書き方が含まれている。文章は、4人の臨床医が学術誌に執筆した連載をまとめたもので堅苦しくなく、必要な部分だけ読んでも差し支えない。
 印象に残った言葉がある「研究は最高のぜいたく、どうせやるならば楽しく」だ、同感である。
(「図書室information63号」より抜粋)

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カテゴリ: オススメ図書
感想投稿日 : 2012年3月26日
本棚登録日 : 2012年3月26日

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