名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年9月15日発売)
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本棚登録 : 9098
感想 : 731
5

まず、この本は単独で読むとちょっとだけ魅力が半減します。できれば同作家の「凍りのクジラ」「僕のメジャースプーン」を読んでおいてほしい。他何作かの関連もあるんだけど、少なくとも上記2作は読んでからのこっちをお勧めします。…っちゅーか、辻村作品って本当は刊行順に追いかけるのが良いんだろうなぁ。

という前提があってのレビューです。

2015年新年1作目の読了、「名前探しの放課後」というより「伏線探しの正月」みたいになってしまった。読んでて「あれ?このシーンの説明あったっけ?」「この表現浮いてるな」「こいつみたいなん俺どっかで知ってる」と思える違和感が随所に出てくるんだけど、それが下巻の後半大きな事が済んでから、怒涛如くつながっていく。視界の開けようがどうにも気持ち良いのだ。

勿論、高校生たちの青春賦やミステリーとしても良くできた作品なんだけど、この本のキモはこの「視界の開けよう」だと思った。

読み終わっての再読はあまりしない方だし、しても時間がたってからするほうだが、この作品だけは超駆け足だったけど再読してしまった。すると違和感がすべてしっくり来る、そのしっくり感が可愛くて切なくて清々しくて…

ポジティブで行動的な高校生、おっさんにはまばゆすぎるぞ!でもエエお話でした

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本小説
感想投稿日 : 2015年1月3日
読了日 : 2015年1月3日
本棚登録日 : 2014年12月18日

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