まず、この本は単独で読むとちょっとだけ魅力が半減します。できれば同作家の「凍りのクジラ」「僕のメジャースプーン」を読んでおいてほしい。他何作かの関連もあるんだけど、少なくとも上記2作は読んでからのこっちをお勧めします。…っちゅーか、辻村作品って本当は刊行順に追いかけるのが良いんだろうなぁ。
という前提があってのレビューです。
2015年新年1作目の読了、「名前探しの放課後」というより「伏線探しの正月」みたいになってしまった。読んでて「あれ?このシーンの説明あったっけ?」「この表現浮いてるな」「こいつみたいなん俺どっかで知ってる」と思える違和感が随所に出てくるんだけど、それが下巻の後半大きな事が済んでから、怒涛如くつながっていく。視界の開けようがどうにも気持ち良いのだ。
勿論、高校生たちの青春賦やミステリーとしても良くできた作品なんだけど、この本のキモはこの「視界の開けよう」だと思った。
読み終わっての再読はあまりしない方だし、しても時間がたってからするほうだが、この作品だけは超駆け足だったけど再読してしまった。すると違和感がすべてしっくり来る、そのしっくり感が可愛くて切なくて清々しくて…
ポジティブで行動的な高校生、おっさんにはまばゆすぎるぞ!でもエエお話でした
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本小説
- 感想投稿日 : 2015年1月3日
- 読了日 : 2015年1月3日
- 本棚登録日 : 2014年12月18日
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