読んでる間はオモロい。
層を織りなす人間関係、程よいスピード感と緊張感、謎解き部分もサイコな部分もちりばめられ、ページを繰る手が止まらない…こりゃすげーわ!
と思ったんだけど、下巻あたりから「ン?」な違和感、後半になるにつれザツさが目立つように思われてきて、「きっとこれも仕掛け、これも何らかのトリックや」と妙な期待を抱いて読み進めていくと…
裏で糸引いてた人物の正体はそのまんまやわ、ヒロイン1名は使い方の悪いかませ犬やわ…、張った伏線を回収しようとしているのはいいけど、きっちり巻いて回収しないからもつれてしもてるねんなぁ。
登場人物や架空の団体の設定も玉石混交で、せっかくの魅力的な設定のキャラがテケトーな設定のもんと関わって勿体ないことになっていたりする。
例えば、裏組織の個性、最後の最後まで輪郭ボヤけすぎ。もっときっちり色つけた方がリズム良かったと思う。不気味さを演出したかったのだろうけど、あれじゃ不気味さすらボヤけてしまってる。
色んな設定をもっと細かくしておいてから、綿密な筆運びで収束を急がなかったら、とんでもない小説に化けたやろうに。このままでも十分オモロいとはいえ、ちょっと残念。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本小説
- 感想投稿日 : 2015年6月4日
- 読了日 : 2015年6月4日
- 本棚登録日 : 2015年5月14日
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