ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由

  • エクスナレッジ (2011年7月29日発売)
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感想 : 85
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とてもおもしろかった。時間的な展開という意味では大会に向けての記憶力トレーニングの話が軸だが、周囲への展開が豊かで、しかも展開される要素のバランスがよいと思う。記憶の外在化その他を巡る考察、マインドマップのブザンに関する記述(批判したいがギリギリ分析の範囲にとどまりたいという意思が現れている内容、だろうか)、「僕には数字が風景に見える」のダニエルに関する疑惑、記憶力を磨くことに多大な努力を払う人たちの姿、などなど。評価でなく個人的な興味として一番のポイントは、TMS(経頭蓋磁気刺激法)で脳の一部の働きを抑制するとサヴァンでない人にサヴァン的な能力を発揮させられるとか、共感覚と記憶の関連のあたり。関連する本を探したい。
とにかく充実した広がり、内容でした。
翻訳も読みやすかった、とても。誤字も明白なものは1か所しか気づかなかったし、それ以外は同音異字の使い分けに疑問あり1か所、翻訳上ごく軽く「ん?」と思ったのが1か所だけ。おもしろさのために気づかなかったのかもだけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年4月25日
読了日 : 2015年4月25日
本棚登録日 : 2015年3月26日

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