ログイン
ようこそ、ゲストさん 新規登録
twitter,facebook,mixiでもログインできるようになりました

こういちろうさんの本棚 > フォーカシング指向心理療法〈上〉体験過程を促す聴き方


レビュー by こういちろうさん

 フォーカシング技法の臨床現場での適用とは、単に「フォーカシング」で書かれている「単一技法体系」としての技法を、クライエントさんに学んでもらうことではない。そのようにしてフォーカシングの教示を単にカウンセリング場面で用いようとすると、実際には大きな壁が横たわる。

 ジェンドリンは本書で指摘する。臨床現場においては、フォーカシングは「エンジンオイル」なのであり、「エンジン」そのものではないと。

 そのようにとらえてはじめて、フォーカシングは、精神分析的アプローチや行動療法や認知行動療法すら含む、およそどのような技法的アプローチとも柔軟に結合できる、文字通り「なんでもあり」の多面的なものになる。

 自分のために、技法としてのフォーカシングを「身につける」ことと、臨床現場でそれをどのように適用するかは別次元の問題であり、後者を指して「フォーカシング指向心理療法(Focusing Oriented Psychotherapy)」と呼ぶ。

 本書(上巻)ではその基本原則が語られ、下巻では具体的な様々なアプローチと融合するための応用編となっている。

 本書の刊行前に、ジェンドリン自身による「夢とフォーカシング―からだによる夢解釈」、本書の刊行後、アレクサンダーテクニックと融合させた「ホールボディ・フォーカシング―アレクサンダー・テクニークとフォーカシングの出会い」、ブリーフセラピーとの融合の可能性を探った「解決指向フォーカシング療法―深いセラピーを短く・短いセラピーを深く」、そして、「フォーカシング指向アートセラピー」などが次々と出版されているが、これらは皆、広い意味での「フォーカシング指向心理療法」を、各領域に造詣の深いセラピストたちが更に展開したバリエーション群に他ならない。この種の著作はこれからも邦訳されていくことであろう。

 こうした、臨床現場での多様な取り組みの原点にあるのが、フォーカシング技法の開発者であるジェンドリン自身が著した本書なのである。 登録日 : 2009年11月01日 11:55:25


コメント

コメントをする場合は、ログインしてください。

まだコメントはありません。

こういちろうさん この本棚のフィード(RSS)
登録アイテム数:
64
レビュー数:
55件»
/ レビュー率: 85.9%
コメントされた数:
0件
お気に入りしたレビュー:
0件»
お気に入りされたレビュー:
4件»
フォローしている:
1人»
フォローされている:
1人»
ブクログの特集まとめページ