レビュー by ハローさん
妻を故意の交通事故で殺され復讐を誓っている"鈴木"と狙った相手を自殺させてしまう"鯨"と抜群のナイフ使いで家族皆殺しが得意の殺し屋"蝉"、交通量の多い道路でターゲットの背中をちょいと押す"押しや"。
<blockquote>台所に向かい、買ってきたばかりのしじみをボウルに入れる。砂を吐き出させるために、水を入れた。夕食の支度まで、放っておく。じっと器を見下ろすと、ぷかっ、ぷかっ、と泡が水面に浮かんできた。しじみの呼吸だ。音もなく殻を開き、息をしている。それを蝉は、一心に見つめる。生きている。いいなあ、と思う。この、しじみの砂抜きをしている時が、それを眺めている時が、蝉にとってはもっとも幸福が感じられた。 <br><br>
いつの間にか生まれていて、いつの間にかここにいた。「わたしがいた、証拠なんてどこにもないし」亡き妻の言葉が甦り、はっとする。確かにいつの間にか生まれて自動的に人生を始めた僕たちに、証拠なんてないのかもしれない。ブライアン・ジョーンズがローリング・ストーンズにいた証拠はないのと同じで。</blockquote>
登録日 : 2005年10月12日 21:15:26


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