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日本美術の歴史についてのkasuhoさんのレビュー


( o_jo)y-~~»

美術史学徒/漫画狂。 レビューははてなダイアリで書いたことのコピペです。なのでたまに文脈が分からないことがあるかも知れません悪しからず。

日本美術の歴史 214人が登録 ★3.61

著者: 辻惟雄 
本 / 東京大学出版会 / 480ページ / 2005年12月発売

レビュー by kasuhoさん

芸術   未設定  3  登録日: 2006年01月04日

辻先生の新刊が去年の暮れに出ていたので買ってみました。縄文土器から『千と千尋の神隠し』まで、日本美術を(辻氏流に)概観する教科書的通史。
この本を読むと、現代美術やアニメ、漫画などの新しい作品群がモティーフや技法といった要素に分解され、その伝統との結びつきが強調されることによって「美術史」言説の中に再編されてゆく様がよく分かる。

また興味深いことに、辻氏は高階秀爾氏の言を引用しながら、片仮名の「アート」を「芸術の在り方そのものが問題になっている」ものと捉えているが、それと比較して依然として日展や院展といった旧来的な「美術」と観客との距離が近いと述べている。美術史の重鎮としてはやはりそのように感じるものだろうか。善し悪しは別にしても、我々にとっては「美術」よりも「アート」の方が圧倒的に身近な存在になっていると思うが。いや、距離の問題と言うよりは作品と観者との間に生じる関係の質の差だろうが。

しかし教科書としては良く出来た本だと思う。カラー図版が豊富でそれなりに綺麗で、2,800円というのはお買い得かと。表紙は横尾忠則によるコラージュ。明兆をフレームにして興福寺の阿修羅、痛ましき腕、神奈川沖波裏にお堀。色んな意味でこの本の表紙としてふさわしい気がする。 レビュー登録日 : 2006年01月04日


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