迷宮遡行 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2000年10月30日発売)
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本棚登録 : 1085
感想 : 106
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この本の裏に書いてあるあらすじを見て、何かどっかで見たような話・・・と思いました。
それもそのはず。
続いて『「烙印」をもとに書き下ろされた本格ミステリー』とあり、なるほど・・・と思いました。

『烙印』は私が今まで読んだこの作者の本の中では一番面白くない!と思った作品です。
突然失踪した妻の行方を、元刑事である夫が追う。
そして妻を深く追うほど、ヤクザが関係していると分かる。
ザッと説明するとそういう話で、中途半端なハードボイルド小説?という印象でした。

この『迷宮遡行』と『烙印』の大きな違いは主人公の設定。
『烙印』では主人公は元刑事という設定だけに、いかにも男くさい男という感じだったけど、今回の主人公は失業中の無職の男で、どうにも情けない雰囲気。
それだけに親しみをもって読む事ができるし、会話なども生き生きとしていました。
大筋はほぼ同じでも少し設定を変えるとこれだけ印象が変わるんだな~と読みながら思いました。
ただ、いかんせん、ラストを知っているだけに、先がどうなる?というワクワク感がない。
2冊とも読んでない方には絶対こちらを先に読む事をおすすめします。
そして面白いと思われたら違いを確かめるために『烙印』を読むという形でいいのかな・・・と思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 貫井徳郎
感想投稿日 : 2013年7月13日
読了日 : 2012年5月22日
本棚登録日 : 2013年7月13日

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