どんな家族関係であれ、長年一緒に生活を共にして来た人を突然亡くすという事実を受け入れるのには相当な感情の整理や自分自身の納得が必要であるあるということ。また、その想いの整理には、生前考えもしなかった、気づきもしなかった出来事や自分の思いにも向き合っていくという、心が削れて痛む作業も伴う。相手が生きている人ならば直接聞けるであろう事も、相手が亡くなっていれば聞く事も出来ない。そこから来る亡くなった人の言動への想像は生きている者の心を千々に乱れさせ、波うたせる。当事者のそういう小さな細かい心の動きや変化が丁寧に描かれている。実際同じような事を経験したことはないが、自分自身ならどの様に感じるのか、読後に色々考えさせられる作品。
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- 感想投稿日 : 2017年7月12日
- 読了日 : 2017年7月12日
- 本棚登録日 : 2017年7月9日
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