被差別部落の民俗と芸能 日本民衆文化の原郷 (文春文庫 お 34-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2006年2月10日発売)
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感想 : 6
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沖浦さんの「視点」、いや「まなざし」が好きだ。
決して鳥瞰的な位置ではなく
ちゃんと実際に暮らしておられる人物(古老)に
きちんと向き合って
(たぶん)一緒にお茶でも飲みながら
とてつもなく 厳しかったであろう話を
それでも 生きて行かなくてはならなかった話を
聞き取り きちんと後世に伝えるべき「学問」
として 遺しておられる
その 仕事には 本当に感服する

以前、しまなみ街道の大三島にある大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)に寄ることがあった。
そこにある「国宝館」には源平の戦いのころからの勧進された長刀や鎧や刀が数多く展示されていたのであるが
それを作った「人」のことはどこにも説明がなかった
そのときも「その作り手」のことがずっと気にかかっていた

沖浦さんの著作を読むたびに
そのときの気持ちを思いだしてしまう

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 風俗・民俗学
感想投稿日 : 2014年7月12日
読了日 : 2014年7月
本棚登録日 : 2010年12月6日

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