西荻窪≪通称・西荻≫には独特の雰囲気がある。繁華街からはちょっと離れてて、至って普通の街なんだけど、何故か人を惹きつける空気がある。
例えばだけどそんな街に、小さな映画館があった―。
23本の映画に関する角田光代のエッセイ、そしてそれに添えられた三好銀のコミック(内容は微妙に映画とリンクしている)。そしてプロローグとエピローグを合わせて「ある映画」に関する物語が出来上がる。
どういう訳か映画には人を虜にする魔力があり、それにとりつかれた人は様々な想いを映画に投影する。スクリーンに映し出される物語は決して皆同じものではないのだ。
エッセイでは古今の名画に対する想いが述べられ、コミックでは西荻窪をキーワードに人々の生活の繊細な一コマを描き出していく。
そしてエンドロールが流れた時、読者は自分の日常とは違う世界に迷い込んでいたことに気づくのだ。
映画好きにおススメ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
コミック
- 感想投稿日 : 2011年10月30日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2011年10月30日
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