バド・パウエルやアートペッパーなど、ジャズのジャイアンツと言われる人々の出来事を、本人のように、あるいは全部側で見てきたように書いてくという本。有名なエピソードと虚構の混ざり具合が絶妙で、本当にそう考えていたのではないかという説得力を持つ。短編小説の形を取りながらも、一種の批評になっているのが面白い。胸にせまるし、知識をえることもできる。
とにかく、ジャズ=ある特殊な人生という構図。こんなにジャズを演奏する人に肉薄してくれる本は初めてだった。もちろんタイトル通り、切なくロマンティックな内容です。
読み終えて自分の棚から、目に付いたチェットベイカーを取り出して聴いた。大学生の時、村上本や寺島本を持って、CD・ショップを巡ったのが思い出される。
後半に付属しているあとがき・・というか論文のようなものは、内容が濃くと呼んでてちょっとしんどい。別物として読むといいと思います。
読書状況:読み終わった
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これは傑作だと思う本(短編)
- 感想投稿日 : 2011年10月17日
- 読了日 : 2011年10月17日
- 本棚登録日 : 2011年10月12日
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