レビュー by kazuoeさん
12月からの大雪で読みたくなった。日露戦争の前夜、厳寒の青森、八甲田山で、雪中行軍が決行される。 青森側と弘前側、両方からの雪山訓練が、比して語られている。 2年前、八甲田山に行った時はすっかり本の内容は忘れてしまっていて、雪中行軍遭難者銅像の前で、呑気に記念写真とったりした。 明治の頃に、ここで、無謀な訓練のためにたくさんの若者が立ったまま凍死していったのだ。青森側からの一隊は、指揮系統が統一されていなくて、ついには199人もの凍死者を出す。 映画ではあの北大路欣也さま(!)が先導者の大尉を演じていた。 弘前側の隊、高倉健演ずる方は少数精鋭隊で、無事全行程を走破する。綿密な計画と、案内人をたてたこと、自分の信ずるところを貫いたことで成功できたのだ。 でも、成功した方も、人間的には魅力溢れる人物には描かれていない。骨の髄まで軍人で、面白みがまったくない。 いきいきと、といおうか命がおもしろく描かれているのは無名の案内人たちだ。 嵐と呼吸をあわせ、雪の中を泳いでいるような「さわ女」という女性。 凍死寸前の案内人である夫を助けた「つる」。 この二人が妙に心に残っている。
登録日 : 2007年01月20日 22:45:39


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