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kazuoeさんの本棚 > 流れる星は生きている


レビュー by kazuoeさん

 5

壮絶な・・・・想像を絶する・・・・過酷な・・・・・どのような表現をもってしてもその苦労、艱難辛苦を語れない。幼子3人を連れた母親の満州から日本への引き上げの手記だ。 昭和20年8月9日、ソ連参戦の夜、 5才、3才、生まれて1ヶ月の子の3人を連れ、夫と生き別れ、藤原ていは引き上げの旅を余儀なくされる。 この夫が、新田次郎。 3才の子が藤原正彦氏である。 満州の新京という所から、北朝鮮の宣川まで列車で移動し、次の年の7月までこの北朝鮮の町で南下する時を待つ。 夫は気象台に勤務していたので彼女も観象台疎開団の一員となる。 助け合いの精神や、団としてまとまりなんとか日本に帰ろうというのが、全くないわけではないが ぎりぎりの状態で、人間はどう行動するのか、美しいことなんて全くない。 他人のことをかまったりはできない。また、誰もかまってくれない。次々と人が死んでいく中で、子供3人を守るために、石鹸を売り、ゴミをあさり、ついには物乞いをする。 1年後、いよいよ南下がはじまる。 38度線を越えるときは、はだしで山を越え、川をいくつも渡り生きているのが不思議な状態で今の韓国にたどり着く。 私なら、とっくに死んでいるだろう。かわいそうだが、うちの子供たちなら助かってはいまい。 とにかく、すごい母である。後年、夫の新田次郎氏とけんかになったとき、彼女が「誰が子供たちを日本まで連れて帰ってきたとお思いですか!」というと、彼は、何もいわず部屋にこもったという。彼とても、ソ連軍の捕虜となり心に深い傷を負ったのだが、彼女のこの本に刺激されて、作家活動に入ったとされる氏はこの母たるてい氏には、何も言えなかったらしい。 5つ☆ではたりなくて、もうひとつ☆を追加したい本だ。
登録日 : 2007年01月20日 23:32:10


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