野の花ホスピスだより (新潮文庫 と 11-3)

著者 :
  • 新潮社 (2012年3月28日発売)
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感想 : 13
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ホスピスケアのある「野の花診療所」を開設された徳永進医師の書。
「野の花診療所」は鳥取にあるので、県民の僕としては、このような心をもたれた方がおられることに、勝手な親近感を感じるとともに非常に嬉しい気持ちになる。

目次の上では3部構成で、「野の花の人々」「野の花通信から」「野の花カルテ」となっている。何編あるかわからないけども、2~3ページごとに、様々な死の物語や著者自身の考えた(思いついた)ことがずーーーーと続く。
もともとは、共同通信社、毎日新聞社、朝日新聞社、そして、著者の診療所から出されている「野の花通信」に投稿されたものがまとめられたもので2002年〜2009年の間に書かれたものらしい。

ひとつひとつの話に、なにか考えさせられることや、不思議なことや、不安、安心、葛藤・・・などなど著者の思いが練り込まれている。「感動」とひとくくりにできるものとは違う気がした。

いまや死と遠くにいる(錯覚)の中で生活する現代とは対局ありつつも、なおも(だからこそかな?)、その死や生について逡巡する著者のようすに惹き込まれた。

だいぶん前に、この先生の本を読んだことがあるけども、今ではウチの婆ちゃんの愛読書になっている様子。
この本もプレゼントしようと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年4月20日
読了日 : 2012年4月20日
本棚登録日 : 2012年4月20日

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