この文庫、すでに絶版になっていて、ネットで手に入れた。
同タイトルで映画化もされているんだね。
小説内に登場する膨大な音楽コレクション(とウンチク)
ほとんどわからなかったけども、それでも楽しめる。
古い小説かと思ったけども、ニルヴァーナ(Nirvana)のレコードも出てきたりして、それに反応してしまう自分が面白かった。
ちなみに、主人公は35歳の音楽ジャンキーで、ロブの一人称小説となっている。
男の哀しいサガ、ダメダメな人生がずーっと綴られている。
何となく、ライ麦を思い起こすような純真さも感じる。
音楽に没頭し、しがないレコード店を営み、常にウンチクを語る・・・
しかし、人生は自分の思うモノとは解離しており、恋人ローラも逃げていくありさま。
そのローラに対する想いも、かなりひねくれていて、その有様も惨憺たるもの。
終盤にかけて、恋人と人生を取り返すような爽快なストーリーになっている。
今の自分の年齢ともかぶり、感慨深く読むことができた。
ちなみに『フィデリティー(fidelity)』を辞書で引くと
1)約束や義務などの厳守。
2)忠実。忠誠。
3)迫真性。正確さ。
4)オーディオ装置で,再生の忠実度。原音を再生する正確さ。
なるほど!
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【内容(「BOOK」データベースより)】
彼女のためにテープを編集したこと、ありますか?彼氏からそんなテープを贈られたこと、ありますか?この本は、そんな貴男とそんな貴女のための小説です。もうからない中古レコード店を営むロブと、出世街道まっしぐらの女性弁護士ローラ。同棲の危機を迎えたふたりは、どんな結末を迎えるのでしょうか。英国だけで百万部を突破した話題のベストセラー、いよいよ日本に上陸です。
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- 感想投稿日 : 2013年10月7日
- 読了日 : 2013年10月4日
- 本棚登録日 : 2013年10月4日
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