評価:★☆☆☆☆(1/5)
タイトルの「お坊さんが困る」というのは、戒名について詳しく云々するということのようだ。果たして本当に困るのかかどうかはハテネだ。
舞台裏を曝露・・・というほど曝露できていない気がする。
本書のほとんどは、原始仏教と現代の仏教のあり方を、時代考証や仏教史を利用して、比較している。つまり、本来の仏教はこうなんだよ、という内容。
本書のいるところで時代があっちへ流れこっちへ流れで読みにくかった。
また、【はじめに】では『現代の日本仏教は「霊はある」という立場をとっていますが、仏教を始められた教祖のお釈迦さまは、そんなものがあるはずはないと真っ向から否定されているのです。』とあるが、あまりにざっくり書かれすぎているような気がする。他には『「空」とは、簡単にいえば、数字におけるゼロを意味します。』というのも。
全般的にはざっくりとしすぎている印象があったけども、所々のエピソードでは勉強になるところがいくつもあった。
入門書として、良いのか悪いのかよくわからない本だった。
著者の肩書きは「仏教研究家」とあるが、所々疑問に思うところがあったので、他の本と併せて読んだ方が良さそうだと感じた。
----------------
【目次】
第1章 人は死んでどうなるの
・そもそも「戒」とは
・従来の死生観が通用しなくなってきた
・現世以外の世界はあるのか
第2章 仏教がやって来た
・祖霊まします我が山河
・宗教心の源にあるもの
・鑑真はなぜ来日したのか
第3章 大乗仏教は釈迦仏教にあらず
・「悟り」から「慈悲」へ
・仏教と葬儀は無関係だった
・お経を書いたのは誰?
第4章 あの世という世界
・浄土教と西方浄土
・往生と成仏はどう違うのか
・お経に霊力はあるのか?
第5章 葬式仏教に徹すべし
・江戸幕府の寺請制度
・戒名はこうして作る
・位牌とお墓について
・私の提案
あとがき
----------------
- 感想投稿日 : 2012年2月12日
- 読了日 : 2012年2月12日
- 本棚登録日 : 2012年2月12日
みんなの感想をみる