あらすじを見て、即図書館で借りました。
精神不安定な妻、ゲイの夫という不思議な関係と、その二人の間で起こること。
夫婦と、夫の恋人との不思議な関係と、友達、両親と、その先のこと。
p56
「こういう結婚があってもいいはずだ、と思った。なんにも求めない、なんにも望まない。なんにもなくさない、なんにもこわくない。」
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私は笑子が好きです。睦月も好きです。紺くんも好きです。
“好き”の先に絶対必要なものなんてあるんだろうか。
こんな不思議な関係でも全然いい。お互いが好きなら良い。
それ以上になにを望むのか。
当たり前の常識が、彼ら・彼女らにとっては理不尽すぎる。
p109「紺くんが睦月の赤ちゃんうめるといいのに」
ここ、笑子にとっても睦月にとっても重たい台詞だと思いました。夫なのだから、妻なのだから、夫婦なのだから、という問題が常につきまとって、それが二人を苦しめます。
こういう結婚は許されないと思う人が居て、だからこそたまらなく切なくなる。
私は同性愛者ではないし精神障害者ではないけど、2人の関係が理想的と思ってる人間なので、共感とまで軽々しく言えないけどすごく辛かった。
睦月は優しすぎるから笑子がつらいけど、睦月も笑子を好きだから余計につらいというか、お互いがお互い大事で、それでもできてしまうズレが悲しい。
でも、すごく暖かいなぁと思います。
私はp210の笑子と紺の言葉で泣き、p215でぼろ泣きしました。
結末はきっともやもやする人もいるかもしれません。でも彼ら・彼女らにとって良かったと言える温かいラストだと思いました。
久々に「好きだ」と言える小説。
読み終わったあとこんなに胸がぎゅーってなるのも久々。
小説としても物語としても登場人物も萌えもひっくるめて大好きでした。
あ、因みに睦月と紺くんの関係の話は詳しくは書かれていません。
あくまで睦月が話す紺くんの話ですのでそういうのを期待してはいけません。
でも私はそれがすごく丁度よくて好きでしたが。笑
- 感想投稿日 : 2011年4月12日
- 読了日 : 2011年4月12日
- 本棚登録日 : 2011年3月31日
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