雨・赤毛: モーム短篇集(I) (新潮文庫)

  • 新潮社 (1959年9月29日発売)
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本棚登録 : 862
感想 : 87

雨音が消してしまったのは音だけなのか、否、地面を叩きつける音は人の理性までも奪ってしまった。
宣教師は悪趣味な売女の身体に溺れ、汚らわしい豚になる。
…なんか千と千尋みたい。

続く赤毛は、純粋な恋心と一途に想い続けることの不可能さを描く。
きっと僕は大丈夫だ、不可能を可能にする、そう思っている今の僕に未来の僕は何て話しかけるだろうか…

最後はホノルル。日本人の描写に風当たりの強さを感じつつ、いつの時代も女心は秋の空なのだ。

DNAに組み込まれている人間のルールを素晴らしい描写で語る本作。

モーム素敵。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外小説
感想投稿日 : 2016年11月30日
読了日 : 2016年11月30日
本棚登録日 : 2016年11月30日

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