とらえどころのない中国人のとらえかた――現代北京生活事情 (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社 (2007年1月23日発売)
3.56
  • (1)
  • (3)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 31
感想 : 6
5

中国人について知りたくて読書。

北京での4年間過ごしたという著者の日中比較論。非常にバランスよく、現代中国の両面が書かれている良書。大連に住む人間からしてもなるほどと納得する箇所が多い。日本人から見て中国の驚嘆する残念な現実をよく伝えながらも愛情ある表現で書かれている。

中国は、劇的に変化し続けている国。ある人は文革ですべての文化文明は一度崩壊し、文革後に現代中国が始まったと主張する人もいる。そうすると建国37年くらいの歴史となる。しかしながら、あながちこの主張も現実離れはしていないと思われる。

中国とひとくくりにすることも難しいこの巨大な多民族国家は、多く問題を抱えながらも今後、世界での影響力を増すことは間違いない。日本人は、先に先進国となった先輩として、冷静に現実をしっかりと見て対応してく必要があるのではないだろうか。

中国に対する薄甘い幻想を捨て去り、現実をしっかりと知り、学びことは日本や関わるすべての日本人にとって重要なことだと思う。

かつて近代日本が作り出した和製漢字、例えば「経済」「哲学」「宗教」などの言葉が中国に逆輸入されたように、和様の礼儀も同じ儒教文化圏の美徳として輸出できたら、日本も長年お世話になった中国文化に多少恩返しができるのではなないだろうか。(p159)
皮肉を込めた的確な指摘。

読書時間:約1時間20分

本書は知人からいただいています。有り難うございます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中国
感想投稿日 : 2013年8月14日
読了日 : 2013年8月14日
本棚登録日 : 2013年8月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする